経済指標の読み方

経済指標を読むことはファンダメンタルズ分析の基本です。ファンダメンタルズとは「経済の基礎的条件」のことで、FXにおいては雇用統計やGDPなどであらわされた経済指標を読みとくことでその分析をして、為替の動向を予測します。

FXにおける為替動向の予測には他に「テクニカル分析」も使われます。これは過去の値動きなどから今後の値動きを予測するもので、おもに短期売買をする際に使います。ここでは2つの分析手法のうち、前者のファンダメンタルズ分析の基本である経済指標の読み方を説明します。

予想と結果

まずは予想を知ることが大事です。市場のコンセンサス(市場参加者の予測の平均)やアナリストなどの発表する予想値をFX会社の公式サイトやニュースなどで確認できます。なぜ予想が大事かというと、市場は常に予想で値動きを先取りしているからです。

つまり「経済状態が良くなるという指標が出る」と予測されれば、その為替は「経済指標が発表される前」に上げます。そして、結果はその予想とくらべてどうだったかを判断されます。もし予想よりも良ければポジティブ・サプライズ(良い驚き)ということでさらに上げる可能性があり、反対に予想よりも悪ければ下落する可能性があります。

実際の数字がどうなのかということよりも、まず先に予想が重視されるということです。また、経済指標を読むときにはその方向性(トレンド)や前期・前年同期との比較が大事です。そのとき単体だけの数字を見ても、長期の為替予測はできません。

ポジショントレードやスワップポイント目的の投資をおこなう場合は、長期的視野に立ったファンダメンタルズ分析をおこなう必要があります。目先の数字にとらわれず、どういう流れなのか、過去と比較してどうなのかということをしっかり考えるようにしましょう。

おもな経済指標

おもな経済指標として、ここでは「米雇用統計」「GDP(国内総生産)」「消費者物価指数(CPI)」「小売売上高」「ISM製造業景気指数」、住宅関連の指標などのアメリカの経済指標と金融政策について説明します。FXにおいて他にも重要な指標はありますが、最終的にどの指標を重視するかは経験から自己判断していきましょう。

米雇用統計

毎月第1金曜日の22時30分(サマータイム21時30分)に発表されます。外国為替市場ではアメリカの経済指標が最も注目されており、その中でも雇用統計は最重要な指標です。いろいろな項目がありますが、個人的に「失業率」と「非農業部門雇用者数」の2つを判断材料にしています。

失業率は家計調査によって算出される遅行指標(実際の景気動向に遅れる指標)で、景気の動向がダイレクトに反映されるものです。非農業部門雇用者数は文字どおり農業部門以外の就業者数をあらわすもので、アメリカの景気を左右する個人消費に深く関わっています。この2つは確実におさえておきましょう。

GDP(国内総生産)

毎月25日前後の22時30分(サマータイム21時30分)に発表されます。カンタンにいうとアメリカ国内でどれだけのお金が生み出されたかを示すもので、どれくらい増えたかということを判断する「実質GDPの伸び率(成長率)」が重要視されます。経済の判断材料として最もポピュラーなものです。

消費者物価指数(CPI)

毎月15日前後の22時30分(サマータイム21時30分)に発表されます。「生産者物価指数(PPI)」と並んで、物価の動向(インフレの動向)をはかるのに重要な指標です。消費者が購入した商品やサービスを指数化しているもので、トレンドを読むことが大事です。

CPIの中でも「コア指数」と呼ばれる、価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたものが特に注目されます。

小売売上高

毎月第2週の22時30分(サマータイム21時30分)に発表されます。デパートやスーパーなど小売業の売上をサンプル調査によって実施してまとめられる指標です。アメリカでは個人消費が経済を支えるのに大きく関わっているので、その個人消費をはかる上で重要な指標とされています。

住宅関連

住宅関連の指標には、1ヶ月の新築の一戸建て、集合住宅の着工件数が地域別に発表される「住宅着工件数」、同じく月内に販売された新築住宅件数をあらわした「新築住宅販売件数」、中古住宅の販売件数をあらわした「中古住宅販売件数」などがあり、どれも重要です。

また、アメリカン大手格付け会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が、全米の主要20都市の住宅価格動向として発表する「S&Pケース・シラー住宅価格」も注目されます。アメリカでは不動産の動きが景気判断によく使われるのです。

ISM製造業景気指数

毎月第1営業日の24時(サマータイム23時分)に発表されます。企業へのアンケート調査によって作成され、数値が50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると景気後退と判断されます。企業が景気をどう判断しているか、というのを知るための指標です。非製造業企業を対象とした「ISM非製造業景気指数」もあわせて確認しましょう。

金融政策

金融政策は為替に大きな影響を与えます。各国の中央銀行など金融政策決定機関と、その政策金利については常に知っておくことが望ましいです。FX会社の公式サイトやニュースなどでチェックしましょう。

ちなみに、アメリカの金融政策決定機関は「FOMC(連邦公開市場委員会)」、ユーロ圏は「ECB(欧州中央銀行)理事会」、イギリスは「BOE(イングランド銀行)金融政策委員会」、日本はいうまでもなく「日本銀行の金融政策決定会合」です。覚えておきましょう。

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